県、来月末にも試行開始
県は、埼玉県との間でドクターヘリの広域連携の試行運用を早ければ3月末に始める方針を決めた。広域連携は2011年の北関東(栃木、茨城県)に続き3県目。約1年間の試行に成功すれば15年度にも正式に連携する。将来的には北関東の3県連携に埼玉県が加わることも検討している。
ドクターヘリの広域連携は、出動の重複要請や多数の疾病者で自県のヘリだけで対応できない際に応援を受けるシステム。各県ともそれぞれ1機を所有しており、出動範囲は各県の基地病院から半径50キロが目安で、県内では前橋赤十字病院(前橋市)が、埼玉県は埼玉医科大学総合医療センター(川越市)が基地病院となっている。
県医務課によると、埼玉県側から県内への出動地域は、多野藤岡広域消防本部、伊勢崎市消防本部、館林地区消防組合、太田市消防本部の4区域。館林と太田は栃木県との連携でカバーしているが、多野藤岡、伊勢崎は初めての広域連携。病院までの時間が15分程度と、特に山間部での救急搬送のスピードアップが期待されている。
群馬県側からの埼玉県への出動地域は、熊谷市消防本部、行田市消防本部、羽生市消防本部、深谷市消防本部など9消防本部の区域。人口が約350万人と多く、要請頻度がどの程度増加するかなどが課題となる。
北関東3県の広域連携では、群馬県の出動範囲は栃木県の一部で、11年度は県内から栃木県に6回、栃木県から県内に9回の出動があり、13年度ではそれぞれ8回、12回に増加している。
(2015年2月11日読売新聞)