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法律に基づいて

ドクターヘリは「ドクターヘリ特別措置法」という法律に基づいて運営されています。また、ドクターヘリの運航経費はドクターヘリを導入する都道府県が負担しています。ここでは、ドクターヘリ事業に関する法律や運航経費などについて説明します。

ドクターヘリに関する法律と
運航経費

ドクターヘリは2001年4月から本格運用が始まりましたが、導入はなかなか進みませんでした。国民の命に直結する重要な事業ですが、根拠になる法律がありませんでした。そこで、2007年6月、広く国民の理解を得て導入を進めようと、超党派の国会議員によって 「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」が制定されました。一般的には「ドクターヘリ特別措置法」といわれています。

所管は厚生労働省で、「救急医療対策事業実施要綱」に基づき「ドクターヘリ導入促進事業」を行っています。この要綱に基づき、ドクターヘリは都道府県が導入し、運営は都道府県の要請を受けてドクターヘリ基地病院の「救命救急センター」が行っています。また、機体やパイロット、整備士、CS(Communication Specialist)(※)は、救命救急センターから委託を受けて、運航会社が救命救急センターに配備しています。

一方、運航経費は年間約2億5,000万円です。この費用は導入する都道府県が負担しますが、たいへん多額なので、「医療提供体制推進事業費補助金交付要綱」に基づき厚生労働省から50%の国庫補助金が交付されています。しかし、それでもなお道府県にとっては負担が重く、都道府県負担分を軽減するため総務省から最低16%から最高80%の範囲で特別交付税交付金が交付されていましたが、2021年度からは都道府県負担分が普通交付税での措置となりました。(2機目以降は特別交付税措置)

※CS(Communication Specialist):ドクターヘリの出動要請が入った際にクルーに出動指示を出し、そのあとは消防本部指令室とやりとりをしてランデブーポイントを調整。飛行中は運航支援業務を行いながら、消防や医療機関との調整を図るなど、さまざまな業務を担う。

ドクターヘリ運営の仕組み

ドクターヘリ運営の仕組みを図示すると以下のようになります。

災害時の活動

ドクターヘリは災害時にも活動します。近年では、2011年3月11日に発生した東日本大震災や2016年4月14日に発生した熊本地震で活躍しました。

こうした大規模災害時には、統率された活動が必要不可欠です。そこで、厚生労働省は2016年12月5日に「大規模災害時におけるドクターヘリの運用体制構築に係る指針」を策定し、秩序立った活動を指導しています。このことに関しては政府が策定する「防災基本計画」にも記載されています。

災害時にはドクターヘリは臨機応変に対応をしなければなりません。そこで、航空法施行規則第176条はドクターヘリに航空法の規制を排除する特例を適用し、自衛隊ヘリや消防防災ヘリと同様、自由に被災地に離着陸できるようにしています。これは、東日本大震災の際にドクターヘリに対する特例が不十分であったことを教訓に、2013年11月に改正されたものです。

ドクターヘリに関する
法令・通達など

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