医師や看護師が搭乗して救急現場に駆け付けるドクターヘリの運航開始式が17日、拠点となる宮崎市の宮崎大学医学部付属病院であった。県内全域を対象に18日から運用を開始。救命率向上や患者の重度後遺症の軽減が期待されている。
敷地内のヘリ格納庫であった開始式には自治体や県医師会、消防など関係者約150人が出席した。河野俊嗣知事は「待望のドクヘリで、県民の救急医療が大きく前進する。ヘリに懸ける皆さんの気持ちに感謝したい」。菅沼龍夫学長は「宮崎の救急医療に大いに貢献できると確信している」とあいさつ。ヘリの前でテープカットして安全運航を祈り、知事が早速試乗して大学周辺の空を飛行した。
ドクヘリは、医療機器などを備えた救命救急専用のヘリコプター。県地域医療再生計画に基づき導入され、県と宮大が運航する。消防・救急隊からの要請で出動。県内279カ所の臨時発着場で救急隊と合流して救命処置し、容体に応じて近隣の病院や宮大病院へ搬送する。約110キロと県内で最も遠い延岡市でも30分以内でカバーする。
来年2月には同病院救命救急センター横に、屋上型ヘリポートも増設する。【石田宗久】
(2012年04月18日 毎日新聞)