■小型ジェット機で患者搬送
■「メディカルウイング」検証
■丘珠拠点に2カ月間運航
高度医療が必要な遠隔地の患者を小型ジェット機で札幌などへの医療機関に搬送する「メディカルウイング」の研究運航が始まった。期間は2013年度までで、今年度は15日から来年1月14日までの2カ月間。初日にさっそく、湧別町の病院に入院していた女性患者1人を紋別空港から札幌へ搬送した。
北海道医師会や道内自治体などでつくる北海道航空医療ネットワーク研究会が運航。昨年9月にも「ドクタージェット」の名称で試験運航し、丘珠空港を拠点に16回出動した。約2千万円の経費は地元企業などの寄付でまかなった。
今回は道の地域医療再生計画の事業に位置づけられ、国から道に交付される地域医療再生基金を活用。丘珠空港を拠点に道内12空港を発着する。
機体は、本来は7人乗りの客室をベッドと客席4席に改造した。道内では現在、3地区でドクターヘリが運航されているが、ヘリより夜間や悪天候時の対応力が高く、速度は約3倍で、患者だけでなく同乗の医師や看護師の負担も軽減されるという。道は気象条件が厳しい冬場の有効性などを検証し、本格導入するか検討する。
(2011年11月17日朝日新聞)