東日本大震災では、孤立した病院などから160人以上を搬送するなどドクターヘリの機動力が改めて注目され、現在は36の道府県で44機が配備されています。しかし、県をまたぐような広域の災害が起きた場合、半数以上のヘリはいまだに出動基準などがあいまいなままで、具体的な運用計画も決まっていないことが分かりました。
長野県の病院では、県から運用を委託されたドクターヘリが常駐し、県内を中心に患者の搬送や災害時の救援活動にあたっています。東日本大震災では、医師や看護師を乗せて翌日から活動しました。当時、東北の被災地には、全国からドクターヘリの約7割が現地入りしましたが、県をまたぐような災害時の出動基準があいまいで、各自治体の自主性に頼らざるを得ないなど課題が浮き彫りになりました。しかし、国の調査によりますと、4年が経った現在も半数以上のヘリについては他県で起きた大規模災害への出動基準や指揮系統がいまだに明確化されていないことが分かりました。震災後、26機から44機まで全国の自治体で一気に導入が進んだドクターヘリですが、横断的な運用計画の策定についてもスピード感が求められています。(2015年3月9日テレ朝news)