政府は7日、地方と都市の医療格差を是正するため、これまで離島に限定していた巡回診療ヘリコプターへの財政支援を、平成28年度から山間地など僻地(へきち)を対象とするものにまで拡大する方針を固めた。あわせて救命医療を行うことができるドクターヘリの配備も進め、僻地の医師不足解消とともに、首都直下型地震や南海トラフ地震など大規模災害に備える方針だ。
厚生労働省は28年度予算の概算要求に、巡回診療ヘリやドクターヘリを運営する地方自治体や民間団体などへの補助金の関連予算として約79億円を計上した。
同省によると、半径4キロ以内に50人以上が住む地域に医療機関がない「無医地区」とそれに準じる「準無医地区」は、現在、全国に計1052カ所ある。
このため、これまで交通手段の限られる離島のみに限定してきた巡回診療ヘリの運営に関する補助対象を、急速な高齢化が進む山村地を対象とするものにも広げ、配備を後押しする。月1回程度、医師と看護師らが搭乗した巡回診療ヘリが山村地を回り、僻地での一般的な診察にあたる。 (2015年9月8日産経ニュース)