自動車が事故に遭った際、車に搭載した器具が乗っている人のけがの程度を自動的に予測し、ドクターヘリを速やかに出動させる「先進事故自動通報(AACN)システム」の模擬実験が26日、前橋赤十字病院であった。11月中の運用開始を目指している。
県や赤十字病院、県内各地の消防と警察署でつくる「ドクターヘリ運航調整委員会」とNPO法人「救急ヘリ病院ネットワーク」が実施した。
AACNは、センサーで車の衝突方向や速度、シートベルトの有無とエアバッグの展開状況を瞬時に把握し、乗員の負傷の程度を推定し情報を発信。コールセンターを通じて病院や消防に通報し、情報を元にドクターヘリ出動をするかどうか決定する。車の事故発生時にコールセンターに自動通報するシステム自体は県内で既に実用化しているが、負傷の程度の確認は消防や警察による現場での確認を待つ必要がある。
模擬実験は、渋川消防署付近の市道で車の単独事故が発生し、運転者が重傷を負ったとの想定で実施。車に搭載されたセンサーから信号を受け、赤十字病院からドクターヘリを出動して患者に接触するまでに要した時間は、システムを使わない場合より約9分短くなった。【杉直樹】(2015年8月27日)