医療と消防関係者による「島根県ドクターヘリ運航調整委員会」(委員長・山森祐治県立中央病院救命救急診療部長、41人)が25日、出雲市内で開催された。県のドクターヘリ運航基準を見直し、現場から救急病院まで救急車で10分以内で到着する場合は、原則としてヘリコプターの出動を要請しない方針を決めた。
これは出動要請が重複するケースが増えたためで、県医療政策課によると、出勤要請が重なり、現場に駆けつけられなかったケースは、2011年度の47件から13年度は132件に増加、14年度も2月末現在134件に達した。
救急告示病院によっては、心臓や脳疾患など専門医の不在で対応できず、ヘリコプターによる搬送が必要になるため、除外運用のルールも作る。県内7カ所の保健所と圏域内の救急告示病院、消防の3者で協議した上で今年10月の基準運用開始を目指す。
松江赤十字、浜田医療センターなど、4ヵ所の救命救急センター周辺は条件をさらにきびしくして、消防拠点から現場まで15分未満、現場からセンターまで30分未満であれぱ、原則として救急車で搬送する。患者を別の医療機関に運ぶ転院搬送も、陸路で30分以内であれば救急車で搬送する。圏域内で調整が付き次第、運用に入る。
ドクターヘリの14年度2月末現在での出動実績は680件。13年度の725件を上回る見通しになったことも報告された。
(山陰中央新報、2015年3月26日)