新潟・埼玉・群馬3県の知事による「第10回3県知事会議」が18日、燕市で開かれた。会議では、災害時の救急搬送に備え、3県が運用するドクターヘリの広域連携を進めていくことで合意した。次回は埼玉県で開かれる。
合意は、県内2機目となるドクターヘリが今秋、長岡市に配備され、群馬県北部に30分以内で運航できるようになることを踏まえ、県境の山岳地帯などで事故が起きた場合の救急搬送などを想定。また大規模災害で負傷者が多数発生した際に迅速な運用ができるよう、3県で情報共有も進める。
泉田裕彦知事は「各県の機動力をフル活用できる」と強調。埼玉県の上田清司知事は「地震などいざというときに、理屈抜きで運用できるようになることは意義がある」と述べた。また、群馬県の大沢正明知事は「日常的に運用することで、非常時にも大きな効果を発揮できる」と期待を寄せた。
会議ではこのほか、3県防災協定に基づき、首都直下型地震が起きた際の支援態勢について、東京都に協議を申し入れることを確認。また熊本地震を受け、震度7レベルの地震が連続して起きた場合を想定した耐震基準について、国に研究を進めるよう求めることで一致した。【米江貴史】 (2016年5月19日 毎日新聞)