北東北3県によるドクターヘリの広域連携で、2015年度に各県から県外に出動したのは計52件となり、前年度の20件から2.6倍に増えた。岩手県北から八戸市へ、鹿角市から盛岡市へなど県境近くから搬送した例が目立った。
青森県医療薬務課のまとめによると、青森の県外出動は19件(前年度比7件増)で、いずれも岩手からの要請だった。二戸、久慈市など岩手県北の病院から八戸市民病院(八戸市)までの搬送が多かった。
岩手から県外に出動したのは33件(26件増)で全て秋田からの要請。かづの厚生病院(鹿角市)から岩手医大病院(盛岡市)への搬送が多くを占めた。
秋田からの県外出動はゼロ。前年度も1件で2県に比べ大幅に少ない状況が続く。ヘリの拠点がある秋田赤十字病院(秋田市)が県境から離れているなど地理的要因が背景とみられる。
青森県内の15年度の出動総件数は828件(10件減)。青森、八戸両市を拠点にヘリ2機を運用する県は、うち105件について、1機が天候不良で飛べないなど、2機体制の利点が生かされた出動だったと分析している。
(2016年5月22日河北新報)