10月13日、緊急現場への医師派遣や病院転送に威力を発揮するドクターヘリの配備を促す講演会が出雲市内でおこなわれた。元警察庁長官で、NPO法人救急ヘリ病院ネットワークの国松孝次理事長が導入による救急医療体制の充実を説いた。
国松氏は「命の危機管理」と題し、ドクターヘリの効用として、運用が制約される消防防災ヘリの十倍の出動回数に応えられる、民間保有のチャーター機なので維持管理費が抑えられ、年間維持費は一億七千万円、国が半額補助する事業、を挙げた。
また出動要請があった患者の死亡率は27%減、重度後遺症は45%減になったという運航実績を紹介。救急医療の地域間格差を埋める病院間の転送だけでなく、「医師を緊急現場に派遣する役目が大きい」と強調した。
講演会は、島根県と山口県のライオンズクラブが開催。溝口善兵衛島根県知事も招き、会合の中で救急・緊急医療体制検討会の発足を県に働き掛けることを決めた。(山陰中央新報、2008年10月15日付より要約)