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ドクターヘリ積極要請を 富山県、初の症例検討会<中日新聞>
2015.10.06

 「交通事故などでも」

  八月二十四日に運航開始した県ドクターヘリの初めての症例検討会が五日、富山市の県民会館であり、三症例について医師と救急隊員らが意見を交わした。十月四日までの四十二日間で出動は三十四件だが、県中央病院救命救急センターの小倉憲一部長は「交通事故などでも、ドクターヘリを活用しても良かったと思われるケースがある」と述べ、より積極的な出動要請を消防機関に求めた。(豊田直也)

 症例発表は、県や病院、消防機関などから百四十人が出席し、非公開で実施。実際にヘリが出動した心肺停止、アレルギー反応の重症アナフィラキシーショック、ショック状態での頸髄(けいずい)損傷の三症例について、救急隊員が搬送状況や治療の経過などを報告し、医師と意見交換した。

 このほか、今月一日に強風で初めて全日運休となったほか、八月と九月に計五回、強風や視界不良で一時運航を見あわせた時間があったことが公表された。

 県のドクターヘリは、通報内容にあらかじめ指定されたキーワードが含まれていた場合に消防機関が出動を要請する。出動要請は運航開始直後よりも増えつつあるが、小倉部長は「救命につなげるためには重症患者だけでなく、重症になりそうな場合にも要請が必要。キーワードを増やすなどの改善策も考える必要がある」と話した。

 症例検討会は、当面は二カ月ごとに開催予定。県は年間三百五十~四百件の出動を見込んでいる。

  (2015年10月6日 中日新聞)