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富山県ドクターヘリ運用開始1カ月の実績 <中日新聞>
2015.09.25
  富山県ドクターヘリは、9月23日で運航開始から一カ月が経過し、これまで20件の出動があり、7人が一命をとりとめた。24日に再開した県議会九月定例会の予算特別委員会で、武田慎一委員(自民)の質問に県側が明らかにした。(豊田直也)
 県医務課によると、一カ月間に二十三件の出動要請があり、うち三件はキャンセルされた。要請が重複したことで飛べないケースはなかった。出動二十件のうち、救急現場への出動が十八件で、病院間搬送が二件。救急現場への出動は、立山町が最多の六件。砺波地域消防組合管内が五件、氷見市と県東部消防組合管内が各二件、新川地域消防組合管内と富山市が各一件で、大半が山間部への出動だった。岐阜県飛騨地域への出動も一件あった。
 これら救急現場への出動十八件のうち、現場での医師による救命措置で七人が一命を取り留め、八人が搬送後に症状が軽快した。三人は搬送後に死亡が確認された。県は今後、症例検討会で個別の患者ごとにドクターヘリの運用効果を検証する。
 また、ドクターヘリの導入で救急医療体制が充実したことで、医学生の関心が高まっている現状についても説明。基地病院の県中央病院への初期臨床研修の出願は、昨年度の二十人から本年度は四十二人に倍増した。このうち二十四人は県外からだった。志願理由でドクターヘリの導入を挙げる学生もいたといい、石井隆一知事は「ドクターヘリの導入をきっかけに救急医療を含めた医療人材の確保・育成に最大限生かしたい」と答弁した。
 (2015年9月25日中日新聞)