北海道開発局は道東道浦幌インターチェンジ(IC、十勝管内浦幌町)~白糠IC(釧路管内白糠町)間が3月29日に開通したのに合わせ、医師や看護師を乗せて救急現場に向かうドクターヘリの高速道路上への着陸態勢を同区間で整備した。高速道での交通事故に迅速に対応するため、着陸の適地に目印となる看板を設置。ヘリの衛星利用測位システム(GPS)にも事前登録しておくことで、救命率の向上を目指す。
こうした対応は道内の高速道で初めて。道内のドクターヘリの高速道本線上への着陸はこれまで、道央道奈井江砂川IC付近など平野部で数例あったが、山間部を走るルートでの着陸態勢の整備が課題だった。特に今回延伸された同区間は26キロと長く、救急車による患者搬送は事故発生から1時間以上かかることが予想されていた。
そのため、釧路開建や道東ドクターヘリの基地病院である市立釧路総合病院の関係者らが昨年、道路端の地形や立ち木の状況などから着陸可能な6地点を選定。同区間で最も標高が高い釧勝峠(466メートル)を挟み、釧路管内側に4地点、十勝管内側に2地点で、それぞれ数十メートルから数百メートルの範囲を着陸可能区間とした。すでに看板を設置し、ヘリのGPS登録も完了した。
(北海道新聞、2015年03月31日)