山形県は、県内の高速道にドクターヘリコプターの場外離着陸場「ランデブーポイント」(RP)を確保する方針を固めた。高速道で大事故や救急要請があった場合、傷病者を迅速に病院搬送できるよう、管理する東日本高速道路などと協定締結を目指している。
県がRP候補地に挙げるのは、山形自動車道寒河江サービスエリア(SA)、東北中央道山形中央インターチェンジ(IC)、米沢南陽道路米沢北ICなど計11カ所。
SAやパーキングエリア(PA)は、高速道利用者の駐車スペースに離着陸が可能と判断。ICは料金所付近にある東日本高速道路の管理事務所周辺を想定する。現地確認は既に終えている。
県は年度内に東日本高速道路や県警高速隊、各消防本部、ヘリ基地病院の県中央病院などと協定を締結する方針。RP利用時の連絡体制、安全確保策、車両の移動方法などを詰めている。
東日本高速道路もRP確保には前向きだが、候補地の11カ所には山形道月山IC、月山湖PA、庄内あさひICなど管理者が常駐しない「無人施設」もあり、運用手順を慎重に検討している。
県警によると、県内で高速道から傷病者をドクターヘリで搬送した例は過去にないという。だが、県は東北中央道の整備が2018年度までに大きく前進するため、RP確保は効果的とみる。
東日本高速道路東北支社によると、東北6県の高速道では東北道津軽SA、磐越道西会津ICなど青森、福島の計7カ所がRPとなっている。
山形県は現在、県内762カ所にRPを確保する。ただ、駐車車両の移動、砂ぼこりを防ぐ散水が不要な最適地は88カ所しかなく、冬季使用可能も97カ所にとどまる。
(2014年8月25日 河北新報)