早ければ10月にもドクターヘリが2機態勢になる。ドクターヘリを運航する県と米盛病院がドクターヘリに関する協定を近く結ぶことがわかった。昨年度、県のドクターヘリは835件出動していてこのうち96件で出動中に要請があった。米盛病院の救急ヘリはこのように出動の要請が重なった時にドクターヘリを補完する形で出動することになる。来月9日に現在の鹿児島市草牟田から与次郎に移転する米盛病院。この春、民間の病院として県内で初めて救急用のヘリコプターを導入した。屋上のヘリポートは運用開始を今か今かと待ちわびている。県と米盛病院は運航開始から3年目に入るドクターヘリの運航体系に米盛病院の救急ヘリを組み込むことができないか検討を重ねていた。県によると「ドクターヘリが出動中にさらに、出動要請があった時、米盛病院の救急ヘリが補完する形」で最終調整に入っているという。昨年度のドクターヘリの出動は835件、このうち96件で出動の要請が重なっている。しかし、関係者によると既に出動していて要請をあきらめているケースがあるため実際はこの1.5倍から2倍程度の出動回数になることが予想されるという。また、県のドクターヘリは十島村の中之島まで飛んでいるが米盛病院の救急ヘリは予備の燃料タンクを搭載しているため十島村全域をカバーできる。諏訪瀬島や悪石島など中之島より南側の島から要請があった時も米盛病院の救急ヘリが出動する。米盛病院を運営する緑泉会の米盛公治理事長は「県内の救急医療、災害医療に貢献したい、これまで救えなかった命を救うことができる」と話している。関係者によると県と米盛病院の調整は最終段階に入っていて近く協定が結ばれ、早ければ10月にもドクターヘリは2機態勢になる。行政と民間の病院が協力し2機のドクターヘリを運航するのは全国で初めて。
(2014年8月4日 鹿児島読売テレビ)