山形県とのドクターヘリの広域連携運航に向け、県が協定締結の前提となる出動要件や対象地域などの案をまとめたことが20日、分かった。山形側との調整後、運航調整委員会の意見を聞いた上で、速やかに協定を締結するという。
山形県とのドクターヘリ広域連携については昨年6月、山形県の吉村美栄子知事が佐竹敬久知事に提案し、両県の担当者やドクターヘリ基地病院関係者らで協議を進めていた。
県によると、まとまった出動要件案は▽多数の傷病者が発生し自県のドクターヘリのみで対応できない▽要請の重複や気象条件が悪いなどで自県のドクターヘリが出動できない▽2県の基地病院の担当医師が他県のドクターヘリの出動が患者の救命に有効と判断−−のいずれかの場合としている。
また、出動範囲は両県の各基地病院から半径100キロ圏内で、秋田側の基地病院・秋田赤十字病院からは山形県北部の8市町村のほか、山形のドクターヘリの飛行範囲外の飛島(酒田市)をカバーする。山形側の基地病院・県立中央病院(山形市)からは湯沢市や東成瀬村、由利本荘市など県内5市町村が対象となる。
県は昨年5月から青森、岩手両県とドクターヘリの広域連携を試行的に開始し、今年5月には出動要件の緩和を3県の担当者間で合意した。また山形県は昨年11月までに福島、新潟両県と広域連携協定を締結している。【仲田力行】(2014年6月21日毎日新聞)