山梨、静岡、神奈川3県の知事が広域的な行政課題を協議する3県サミットが19日、富士吉田市内で開かれ、医師が同乗して救急現場に急行する3県の「ドクターヘリ」を広域運用することで合意した。山梨、神奈川両県の全域と静岡県東部地域を対象エリアに、自県のドクターヘリが出動できない場合、他県に要請できるようにする。来年4月以降の早い時期に運用を始めたい考えだ。
神奈川県の黒岩祐治知事が提案した。出動の重複要請があったり、大規模事故などで多数の傷病者が出たりした場合、3県の救急医療体制を補完するのが狙い。横内正明知事、静岡県の川勝平太知事が提案に賛成し、基本合意書を交わした。
山梨県医務課によると、昨年度、県のドクターヘリが重複要請や気象条件で出動できなかったケースは計35件。本年度は上半期(4~9月)で22件に上る。複数の県がドクターヘリを広域運用するケースは全国で5地域目となる。
一方、協議では富士山の世界文化遺産登録、東京五輪・パラリンピックの開催を契機に、「富士箱根伊豆地域」の観光振興を図ることでも合意。富士山を中心にした周遊・滞在型の観光モデルルートを共同で作成、東南アジアなどの外国人観光客を呼び込む取り組みを強化する。
横内知事は観光対策の一環として、道路標識を3県統一のデザインで整備することを提案。両知事とも足並みをそろえて取り組むことに賛意を示した。
(2013年12月20日 山梨日日新聞)