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広域で威力 広島〈中国新聞〉
2013.11.19

  広島県は18日、5月に導入した医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の半年間の運用実績をまとめた。消防機関の要請に応じた出動は170件。年間目標とする300件を上回るペースとなっている。全体の4分の1は山口、島根など他県の患者が占めており、県境を越えた患者搬送にも威力を発揮している。

 県によると、5~10月に231件の出動要請を受け、天候不良や出動中で対応できなかった61件を除く170件の搬送に出動した。消防機関別に出動件数をみると、東広島市が27件と最も多く、備北地区(本部・三次市)22件、江田島市18件と続いた。内容別では、事故などの現場近くに駆け付け、患者に救命処置をした上で搬送する現場救急が124件で7割を超え、緊急転院などの施設間搬送が25件、出動後のキャンセルが21件だった。

 中国地方5県で協定を結んだ相互乗り入れに基づき、島根県に39件、山口県に4件出動した。高知市の要請で、松山空港(松山市)から広島市の病院に患者を運んだケースもあった。

 県医療政策課は「目的地のそばに離着陸できず、地元の協力で休耕田やフェリー桟橋を利用したこともある。より多くの離着陸地点を確保できるよう市町や消防機関に働き掛けたい」としている。

(2013年11月19日 中国新聞)