県と信州大医学部付属病院(松本市)は1日、県内2機目となるドクターヘリの運航を開始し、同病院で記念式典を開いた。05年に県厚生連佐久総合病院(佐久市)に配備された1機目との併用で、中南信地域への現地到着時間の短縮、出動の増加など救急医療体制の強化が期待される。阿部守一知事は「2機目配備は昨夏の知事選で公約にも掲げた。一人でも多くの命が守られるようになってほしい」と述べた。
式典で山沢清人・信大学長は「責務の重さを改めて感じる。東日本大震災の被災地に出動した経験や県内病院と強化した連携を生かしたい」とあいさつ。出席者はテープカットで運航開始を祝った。
ヘリは、高度な医療機器や医薬品を積み、同乗の医師らが早期に処置することで救命率の向上を図る。信大病院などによると、県内1機目の出動件数は延べ1972件。
県内2機目はフランス・ユーロコプター社製。最高時速254キロ。南信地方など松本市から100キロ離れた場所に30~40分で到着できる。1機目と共に基本的に全県下が出動対象だが、消防からの1次要請は東北信の担当が佐久、中南信が松本の担当。
天野直二・信大病院長は「医師5人、看護師4人から1人ずつ出動できる体制を整えた。これまで以上に地域医療に貢献できる」と話した。【大島英吾】(2011年10月2日毎日新聞)