豊岡市の公立豊岡病院を拠点にドクターヘリの運用が始まった17日、3件の出動要請があり、フライトスーツに身を包んだ医師らが緊張した表情で現場に向かった。
最初の出動は運用開始から30分後。丹波市消防本部から、容体が悪化した入院患者の受け入れ要請が豊岡病院にあり、医師ら3人がヘリに乗り込んだ。想定時間通りの約15分で消防本部に到着、患者をヘリに乗せて搬送した。
その後も、京都府京丹後市と豊岡市の各消防本部から、交通事故で負傷した患者搬送の要請が入り、救急車との合流地点「ランデブーポイント」に向かった。
給油のため、出動に時間がかかる場面もあったが、初日の業務は午後5時半に終了。ヘリに搭乗した看護師は「身が引き締まる思い。どんな患者でも、容体が安定した状態で病院に届けたい」と話した。
ドクターヘリ導入は日本海側では初めてで、過疎地域の救急医療体制の向上が期待される。
(宮下裕史) (2010年4月18日神戸新聞)