◇西部地域のカバー可能に 救命率の向上などに期待
ヘリコプターで傷病者を搬送するドクターヘリの運航が26日、始まる。ドクターヘリについては現在、福岡県と共同運航しているが、今回新たに始まる運航は、長崎県との共同。2機目の投入で、県西部地域のカバーが可能になると期待されている。県は自前のドクターヘリを持っていないが、古川康知事は今回の措置に「他県より充実した体制になった」と胸を張っている。
共同運航するのは、長崎県大村市の国立病院機構長崎医療センターを拠点とするヘリコプター。佐賀県内では伊万里、有田、杵藤の3消防本部管内で発生した患者の搬送を担当するという。
県はこれまでも、福岡県久留米市の久留米大病院を拠点とするヘリを共同運航してきたが、県西部地域は救急要請から20分ほど掛かっていた。利用数を見ても全県が年間40件程度なのに対し、同地域は10件程度だった。
しかし、大村市からヘリを飛ばした場合、距離が久留米市からの半分程度となり、救命率向上や後遺症軽減のための迅速な治療が期待できるという。
共同運航に掛かる費用は、1回につき福岡が25万円、長崎が15万円。年間で計約1000万円の支払いを見込んでいる。単独でヘリを運航すれば、国の補助を使っても同7000万~8000万円が必要で、大幅にコスト削減できるのもメリットだという。【上田泰嗣】 (2009年10月23日 毎日新聞)