愛媛県では消防防災ヘリに医師らを同乗させて急患を空輸する「ドクターヘリ的運用」が20日始まるのを前に、松山空港(松山市)の県防災航空事務所でこのほど、県と愛媛大医学部、県立中央病院の記者会見があり、訓練の模様が一部公開された。
県によると消防防災ヘリは、傷病患者発生の119番通報を受けた地元消防本部が判断し県に出動要請する。要請があると松山空港で人工呼吸器や半自動除細動器などの装備を積み現場へ向かう。担当する医師と看護師は県立中央病院と愛媛大医学部が派遣。県立中央病院の医師らは松山空港から搭乗し、愛媛大医学部の医師らが乗る場合は東温市のヘリポートに立ち寄る。
会見で藤川和之・県医療対策課長は「(消防防災ヘリに)医師らを乗せれば、離島や山間部など救急病院から遠い現場に向かい、救命救急措置などを行った上で患者を搬送でき、救命率向上や後遺症の軽減が期待できる」と語った。この後、消防防災ヘリが医師らを乗せて東予方面へ約20分間の飛行を2回行い、機上で医療行為などの訓練をした。(古谷秀綱、毎日新聞、2009年8月20日付)