救急救命士や脳神経外科医ら連携
救急救命士や脳神経外科医らの連携強化を目的に、第2回脳神経救急勉強会が、和歌山市紀三井寺の県立医科大で開かれ、約70人が参加した。
同大脳神経外科の板倉徹教授が「脳卒中などには、早期治療が大切。1人でも多くの命を救うために、協調を深めたい」とあいさつ。同科の武本英樹学内助教が、ドクターヘリについて講義した。県には03年、全国7番目として導入され、同大病院からは田辺、橋本地域へ15分以内、新宮付近にも30分弱で到着でき、山間地の救助にも有効となる。
05年に認可された脳こうそく治療薬「tPA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)」を活用するには、3時間以内の治療が不可欠で、早期搬送がますます重要になっているという。
続いて同科の増尾修助教が、脳卒中について講義。日本人の死亡率は病気の中で3位となって減少傾向だが、有病率は年々増加している。
救急救命士が到着した段階で、「高血圧、糖尿病などの既往症があるか」「どんな薬を常用しているか」「発病時の状況」という家族の情報が、命を救うために不可欠だという。また、「いったん収まっても再発を疑い、そのまま救急車で必ず病院へ診察に行ってほしい」と語った。このほか、救急救命士側からの症例提示なども行われた(2009年4月28日毎日新聞要約)