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日本一多忙なドクターヘリ1カ月で82回出動、56人搬送<毎日新聞>
2010.05.20

鳥取、京都、兵庫3府県で運用を始めた公立豊岡病院(兵庫県)のドクターヘリは、就航1カ月間(4月17日~5月16日)で82回出動し、56人を豊岡病院などに搬送した。出動回数の1日平均は2・7回と、09年度に全国で最も忙しかった日本医科大千葉北総病院(千葉県印西市)の2・0回を上回る活躍となった。

 要請があった患者の年齢は60歳以上が6割を占め、事故などによる外傷と発作などの急病はほぼ半々。搬送した中には心筋こうそくで心停止寸前の重篤者もあり、小林誠人・但馬救急救命センター長は「救急車搬送なら1割強は命が危なかった」と話す。

 出動先で救急処置を行ったものの搬送は救急車に任せたのは15人、軽症や死亡で搬送しなかったのは11人だった。

 鳥取県は県立中央病院(鳥取市)から要請のあった病院間搬送1回だけだった。兵庫県内が57回で約7割を占めた。消防本部ごとの内訳は▽美方広域(香美、新温泉町)21回▽豊岡市15回▽朝来市12回▽養父市5回▽丹波市2回▽病院間搬送2回。京都府内は24回、29%で▽京丹後市12回▽福知山市4回▽綾部市4回▽京都中部広域(亀岡市、南丹市、京丹波町)3回▽宮津与謝(宮津市、伊根町、与謝野町)1回。

 小林センター長は「この地域でドクターヘリが有効であることが裏づけられた。出動要請が重なることも多く、2機目のヘリが必要と感じるぐらいだ。但馬では10月からドクターカーの運行を計画しており、救命率世界一を目指して取り組みたい」と意欲を見せた。【皆木成実】  (2010年5月18日 毎日新聞)