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鳥取県導入へ 鳥取大病院を基地に 初期費用3億円見込み 検討委基本合意/鳥取<毎日新聞>
2015.07.21

   第1回県救急医療体制高度化検討委員会(会長、魚谷純・県医師会長)が15日、米子市内であり、県単独でドクターヘリを導入し、基地病院を鳥取大医学部付属病院(米子市)とすることで基本合意した。9月までに3回開き、県への報告書をまとめる。導入時期は2017年度以降となる見通し。【小松原弘人、真下信幸】

 全国では37府県で45機のドクターヘリが活動している。県内では東部、中部が関西広域連合が事業主体の公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)、西部は島根県の県立中央病院(出雲市)のドクターヘリが対応。昨年度の鳥取県内への出動実績は公立豊岡病院が66件で出動先はほとんどが東部地区、島根県立中央病院は9件でほとんどが県西部だった。鳥取大医学部付属病院に昨年7月にヘリポートが完成し、県独自の導入に弾みがついていた。

 委員会では県内3消防局が「公立豊岡病院に出動要請しても出払っていることがある」「日南町の交通事故では鳥取大付属病院のドクターカーに1時間以上かけて来てもらった」などと現状を紹介。同病院の本間正人・救命救急センター長は「10分、20分で(患者の)運命が決まる」とドクターヘリの必要性を強調し、清水英治病院長は基地病院になった場合について「医師数、看護師数とも対応できる」と説明した。

 一方で森安保・伯耆町長は「導入した場合の救命効果はどれくらいか」と、見通しを算出するよう要望した。

 県によると、ドクターヘリは鳥取大医学部付属病院を基地病院として半径約70キロの範囲に出動した場合、需要は県内と島根、岡山、広島の3県を合わせて年間350〜400件の見込み。国の補助がない初期導入経費は格納庫・給油設備、搭載機器などで約2億9000万円、ランニングコストは国補助を除いた県負担分が約1億5000万円と試算している。

 平井伸治知事は16日の定例記者会見で「今後、専門家の意見を聞き、県としての考え方をまとめ、県民の判断を仰ぐことになる。初期費用で約3億円かかるなど負担が伴うもの。不足がちな国の補助制度などの課題をどう考え、導入に向けて検討するかが今後のポイントだ」と述べた。

(2015年7月17日毎日新聞)