県は29日、本県で2機目となるドクターヘリの運航を始めた。2機目は長岡市千秋の長岡赤十字病院を「基地病院」とし、中越・上越地域からの救急搬送の要請に対し優先的に出動する。2機体制への移行で県内全域を約30分以内でカバーできるようになり、救急現場への到着がスピードアップ。県は救命率の向上や患者の後遺症の軽減につながるとしている。
ドクターヘリには救命救急に必要な医療機器が備えられ、専門の医師と看護師が乗り込み、急を要する患者の治療に対応する。本県では平成24年10月、新潟大医歯学総合病院(新潟市中央区)を基地病院として1機目の運航が始まった。
出動回数は年を追うごとに増え、28年度は2月末現在で24年度の7倍強に当たる498回にのぼっている。飛行中に新たな出動依頼を受ける「重複要請」も増加傾向にあり、県は追加導入を決めた。2機目は7人乗りで、巡航速度が時速約280キロと従来機より70キロ速い。機体内部もコンパクトになり、より高度の上空を飛行できるという。
長岡赤十字病院で行われた運航開始式で、米山隆一知事は「安全な運航で、県民の命を守ってほしい」と期待を寄せた。フライトドクターとなる同病院救命救急センター長の江部克也医師は「県内は広く、2機目のヘリを少しでも多くの人に役立てたい」と話した。
(2017年3月30日産経新聞)