ドクターヘリの普及を目指すNPO「救急ヘリ病院ネットワーク」(略称・ヘムネット、国松孝次理事長)が27日午後1時半から、創立10周年を記念して「ヘリコプター救急 新時代」と題したシンポジウムを千代田区一番町の全国町村議員会館で開催する。ドクターヘリを取り巻く現状から、全国配備に向けた展望と課題を探る。
ドクターヘリは医療機器を搭載するなどして病院に常駐し、出動要請を受けて医師や看護師を乗せて現場へ向かう。07年に超党派の議員立法で補助制度も確立。1機当たり年間で約1億7000万円に上るとされる経費は、国と都道府県が折半して補助するが、財政難から導入したのは16道府県にとどまっている。今年から自治体の負担はさらに軽減され、新規導入が期待されている。
当日は作家の柳田邦男さんが「いのちを守る社会を創(つく)る~確かな一歩が、次なるステップへ」と題して基調講演。続いて、日本医科大千葉北総病院でドクターヘリ事業を始めた益子邦洋・同大教授をはじめ、救急医療の専門家5人が意見を述べ合う。
入場無料。村田憲亮・同事務局長は「医療関係者に限らず、関心のある方はどなたでも来てほしい」と話す。申し込みは同事務局(03・3264・1190)へ。月、火、木曜の午前10時から午後5時まで。【2009年6月12日毎日新聞 合田月美】