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ドクターヘリで入院日数短く治療費削減 <毎日新聞>
2007.07.13

交通事故の負傷者を病院に搬送する場合、ドクターヘリと救急車では、ドクターヘリの方が平均入院日数が短くなり、治療費も低く抑えられる。日本医科大学千葉北総病院が実際にヘリコプターや救急車で同病院に運ばれた患者を比べた結果、明らかになった。同病院は「治療費の削減分はヘリの運航費を上回っており、ドクターヘリの導入は医療コストの面でも見合う」と話している。

ドクターヘリは、ヘリコプターに医師が同乗して救急患者を搬送するシステム。搬送中も医師が対応でき、搬送時間も短くなることから、治療成績が向上するとされる。

 

調査は同病院の益子邦洋・救命救急センター長らが実施した。対象は2003年1月~2006年3月の間に同県四街道、富里、八街の各市から同病院に搬送された重症の外傷患者70人――うちドクターヘリ搬送26人、救急車搬送44人。いずれも同病院までの距離が15~20キロで、救急車はヘリコプター運航時間外の夜間、早朝や悪天候時などに使われた。

搬送された患者の年齢や重症度などを補正した結果、ドクターヘリ搬送後の平均入院日数は21.8日、入院中の治療費は平均約132万円で、救急車の場合の入院日数38.5日、治療費約245万円に比べ、それぞれ16.7日、約113万円少なかった。ヘリの搬送には1回50万円程度かかるとされる。

 

ドクターヘリについては2001年、国が年間経費(1機当たり約1億7,000万円)の半額を補助し、ヘリを導入した都道府県が残りを負担する制度が始まった。国は5年間で30機の導入を見込んだが、自治体の財政難などで現在、10道県11機の配備にとどまっている。(山田大輔、毎日新聞2007年7月13日付より要約