栃木県の救急医療体制について専門家の立場から検討する救急医療運営協議会の「病院前救護体制検討部会」は10月20日、救急医療用の「ドクターヘリ」について、県に導入を提言することを決めた。福田富一知事も導入に前向きであることから、早ければ2009年度末にも事業が開始される。ヘリポートの設置場所は、独協医大(壬生町)が有力とみられる。
なお部会では、県側からドクターヘリの需要予測が示された。昨年、県内で救急車で搬送された患者数は63,944人で、死亡したり重篤だった患者のうち、現場から病院まで搬送に30分以上かかったケースなどを集計し、376件がドクターヘリが必要だったと推計した。
ドクターヘリの費用は、県の試算では、ヘリポートの整備など初期費用に1億5000万円。運営費は年間約1億7000万円で、国と県が半分ずつ負担する。
運用拠点は県内5カ所の救命救急センターのうち、独協医大が設置に向けて検討を進めており、同大にドクターヘリが置かれる見込み。(葛西大博、毎日新聞2008年10月21日付より要約)