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<朝日新聞> 〝ひと″ に日医大千葉北総病院 松本尚医師 掲載
2017.10.16

 

 出動回数全国一のドクターヘリチームを率いる 松本尚さん(55)

 

 ヘリコプターで患者のもとに急行する医師らを描いた人気テレビドラマ「コード・ブルー」。そのモデルになった日本医科大学千葉北総病院(千葉県印西市)の救命救急センターを率いる。

 県のドクターヘリ事業が同病院で始まったのは2001年。これまでの出動回数は国内最多の約1万3千回を数える。いま41道府県に計51機。「ドクターヘリがある風景は日常になってきた」

 生まれ育った金沢市で消化器外科医として腕を磨いた。転機は22年前。研修先の日本医科大学付属病院(東京)で救命救急医療にのめりこんだ。「一人でも多くの患者を救う仕組みをつくりたい」。誘いに応じて千葉北総病院に移り、ドクターヘリ事業の立ち上げに携わった。

 ヘリの要請は、現場の救急隊や119番通報を受ける消防職員の判断に委ねられる。「医療職だけでなく救急隊も含めて一つのチーム」。連携を深めるため救急車に乗り込み、消防の指令部門にも張り付いた。県内30以上の消防本部のほか、臨時のヘリポートになる公園や校庭を管理する市町村に一人で出向き、ヘリ導入の意義を説いて回った。

 「救えたはずの命が失われていないか。30秒でも早く治療に入る工夫ができないか」。スマホの動画伝送システムもとり入れた。一例一例を分析し、検証を重ねている。 熊井 洋美(2017年10月6日 朝日新聞)