医師や看護師が搭乗して救急現場に向かう県のドクターヘリの運航開始式が31日、松山市南吉田町の松山空港内格納庫であった。県内全域を対象に1日から運用が始まる。
人工呼吸器やストレッチャーなどの医療機器を備えた救命救急専用機。事業費は年間約3億円で、民間の航空会社に運航を委託する。最大時速は250キロ。生命の危険があるなどの緊急時に消防からの要請で出動する。
臨時離着陸場で救急車と合流して救命処置し、近隣の病院などに搬送する。山間部や島しょ部を含む20市町の全地区におおむね30分以内で到着でき、患者の救命率向上や後遺症の軽減が期待される。
式には病院や空港関係者約70人が出席。西村誠明(しげあき)・県立中央病院長は「救急医療に貢献できるよう、安全かつ効果的な運航体制に努める」とあいさつ。中村時広知事は「遠隔地の救急患者の救命率が高まる」と期待した。
運航は原則、午前8時半~午後5時15分。駐機場所の県立中央病院と松山空港に医師や操縦士が常駐する。【橘建吾】(2017年2月1日毎日新聞)