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新着陸拠点整備へ県、ドクターヘリ運航拡充〈岩手日日新聞社〉
2013.08.07

 ドクターヘリの運航充実に向け、県が盛岡市内に新たにヘリポートの整備を計画していることが5日、分かった。同市中心部への医療機関に搬送する場合、現在は盛岡東署(同市内丸)の屋上へリポートを着陸場所としているが、冬季に使用できないなど弊害があることから、利便性を向上させる意味での措置。整備時期は未定だが、年度内に候補地の調査に着手する。

 これは、同日開かれた県医療審議会医療計画部会で県が明らかにした。

 本県のドクターヘリは2012年5月に運航を開始。岩手医科大が運営を担い、矢巾町の同大矢巾キャンパス内に整備された基地ヘリポートを拠点としているが、同大附属病院の同町への移転、開院は18年度内を想定しており、現在は県内外の病院への搬送を想定する発進基地方式で運航されている。今年5月までの1年間の運航は289回を数えた。

 県高度救命救急センター(同市内丸)など盛岡地区にヘリで患者を搬送する場合は盛岡東署を活用している。しかし、同署は冬季には雪などの影響で活用できないため、昨冬は暫定的に県営野球場(同市三ツ割)の駐車場を着陸場所として活用した経緯がある。同センターと県立中央病院(同市上田)への搬送は全体の半数を占めていることもあり、県は運航体制確保の一環で新たにヘリポートを整備する方針を固めた。

 整備に向けては、国の地域医療再生臨時特例交付金を活用する方針で、ヘリポート整備や在宅医療のコーディネーター設置への支援などを盛り込んだ県地域医療再生計画案(計画額15億円)について、既に国から交付内示を受けている。

 今後は整備場所を含めて検討に入るが、できるだけ同センターや中央病院などに近い場所に整備する意向で、地域の理解を得ながら進めていく。整備に向けては今後県の補正予算に盛り込む。

(2013年8月6日 岩手日日新聞社)