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ドクターヘリ 来年冬にも運航開始・・・函館市議会〈函館新聞社〉
2013.06.24

 

道南地域の救急医療体制の充実に向けて、検討課題となっていたドクターヘリ(ドクヘリ)が早ければ来年冬にも運航が開始される見通しとなった。各市町の費用負担や搭乗医師の確保に一定のめどがたったため。渡島、桧山両振興局と管内各自治体、関係機関などでつくる導入調査検討会で7月にも最終確認した後、市立函館病院を基地病院として、導入に向けた準備を加速させる。

 18日の函館市議会定例会で、小林芳幸氏(公明党)の一般質問に市が答えた。

 ドクヘリは、救急医療用の機器などを装備し、医師や看護師が乗り込み、搬送中に救命医療を施す。道内では道南地域が空白域となっており、昨年4月から、検討会や幹事会を開き、課題解消に向けた検討を進めている。

 渡島総合振興局保健環境部によると、国と道からの補助金で賄いきれない費用を各自治体が負担することで合意。各自治体が経費を分担する仕組みは道内初の試みという。

 また、搭乗医師らスタッフは基地病院の市立函館病院が年間240日間を担うが、救急当番日と重なる残り120日間は、函館市医師会や札幌医科大学に派遣協力を要請することになった。7月に開く幹事会、検討会で最終合意に至る見通しで、秋以降、運航体制を検討するための準備やヘリ運航会社の選定などが進められる。

 この日の市議会で市病院局の吉川修身局長は「市立函病で必要な通信センターなどの整備、運航調整委員会の運営を行う。早ければ来年冬には運航できると考えている」と述べた。

 一方、道南18市町の間では、函館市を「中心市」として、地域活性化事業に対して国からの財政支援を受けることのできる地域間連携「定住自立圏」が形成される見通しとなった。連携事業のひとつにドクヘリの運航を入れる考えで、各市町間で7月にも合意する。市は年度内に「中心市宣言」を行い、各市町での議決を経て個別に連携協定を締結。来年度には「定住自立圏共生ビジョン」を策定し、互いに役割分担をしながら持続可能な圏域づくりを推し進める。  工藤寿樹市長は「函館市は道南の中核市としての役割を果たすべきと考えている。来年度には定住自立圏も、ドクターヘリの導入も実施できると確信し、これからも前向きに取り組んでいく」と述べた。(2013年6月19日 函館新聞)

提供函館新聞社