医師、看護師が搭乗して救急現場に出動し、救命処置を行う県のドクターヘリが15日就航し、運航開始式が基地病院の県立中央病院(山形市)で行われた。初日は途中でキャンセルになったものの、山での滑落事故を受け出動要請が1件あった。
式には約150人が出席。吉村美栄子知事は「安全第一、チームワークを大切に一丸となって取り組んでもらいたい」とあいさつ。小田隆晴県立中央病院長は「高度救急医療の強化、充実に役立つ。搭乗する医師の確保など課題もある」と述べた。ドクターヘリは午前11時に運用を開始。正午すぎに滑落事故で初めての要請があり、小国町に出動した。
本県は2008年度の調査で、患者を医療機関に収容するまで30分以上要する割合が4割を超えている。県内全域をほぼ30分以内でカバーするドクターヘリ導入により、救命率の向上、後遺症軽減に期待が集まる。一方、搭乗する医師の確保、降雪期の運航など課題もある。
年間の運航経費は2億1千万円で特別交付税を含めると4分の3が国庫負担、残りを県が負担する。12年度はヘリポート建設費を含め約6億5千万円を予算化した。
(2012年11月15日山形新聞)