「気が付いたらベッドに寝ていまして、『ここはどこや』と聞くと、看護師さんらしき人から『病院です』と言われました。目が覚めたのは8日の朝ですから、5日間も意識がなかったことになります」(近重さん)
ベッドサイドの窓からは広い空が見え、時折ヘリコプターが飛んでいたといいます。
「『窓からドクターヘリが飛んでいるのが見えた』と言ったら、『近重さんもドクターヘリで運ばれたんですよ』と言われてビックリしました」(近重さん)
「気が付いたらベッドに寝ていまして、『ここはどこや』と聞くと、看護師さんらしき人から『病院です』と言われました。目が覚めたのは8日の朝ですから、5日間も意識がなかったことになります」(近重さん)
ベッドサイドの窓からは広い空が見え、時折ヘリコプターが飛んでいたといいます。
「『窓からドクターヘリが飛んでいるのが見えた』と言ったら、『近重さんもドクターヘリで運ばれたんですよ』と言われてビックリしました」(近重さん)
担当医師がランデブーポイントで見た近重さんは、意識がなかったといいます。明石駅員によるAED(自動体外式除細動器)や救急救命士による電気ショックの効果で心拍は戻っていたものの、いつまた心室細動という致命的な不整脈が起こるか分からない、危険な状態でした。
心臓超音波検査をすると急性心筋梗塞の可能性が高く、すぐに緊急のPCI(「経皮的冠動脈形成術」といって、カテーテルと呼ばれる細長い管を挿入して血管を押し拡げ、そこに金属でできたステントという網目状の筒を留置し、血流を取り戻す治療)が必要でした。担当医師は、ヘリ搬送に耐えうる状態を保つために、鎮静剤や冠拡張薬の投与や気管挿管を行ったほか、機内で心室細動となったときのために、心臓マッサージを自動で行うオートパルスを装着しました。
加古川医療センターには、9時半前に着陸。すぐにPCIが始まりました。
幸い、近重さんは8日に意識が戻り、翌日にはHCU(高度治療室)に移って、千恵子さんと会話ができるようになっていました。その後、一般病棟に移った後、27日に退院しました。
「今は2カ月に1回、循環器内科に通っていますが、後遺症もなく、倒れる前よりも血色がよいくらい(笑)。こんなに元気になれたのは、ドクターヘリのおかげです」(近重さん、千恵子さん)
通常、明石市の場合、心肺停止の人が発見されたら市内の二次救急のある医療機関に救急車で搬送することになっています。ところが、今回、出動した救急救命士が近重さんと似たような症状のあった人を加古川医療センターに救急搬送した経験があったため、ドクターヘリが出動しました。救急隊員の適切な判断が近重さんの命を救ったともいえるのです。