広島県の医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の本格運用が1日、広島市西区の広島ヘリポートを拠点にスタートした。初日は広島市南区の患者1人を搬送した。中国地方全域でヘリの運用態勢が整い、広島県のドクターヘリが島根県中西部をカバーする乗り入れも始まった。
ドクターヘリは原則午前8時半~午後5時に運用。消防からの要請を受け、広島へリポートに待機する医師2人と看護師1人が乗り込み出動する。グラウンドや河川敷など県内340カ所の離着陸地点で患者を乗せ、広島大病院(南区)など18病院に搬送する。半径70キロ圏内ならおおむね20分以内に到着できる。
この日は午後0時28分、広島市消防局が南区の工場で右腕をベルトコンベヤーに挟まれた60代男性の搬送を求め、出動。同34分に南区の広島みなと公園で救急車と合流後、応急手当てをして飛び立ち、約7分後に呉市の中国労災病院に到着した。
午後5時すぎにも備北地区消防組合(三次市)が、トラクターの下敷きになった庄原市の60代男性の搬送を要請。ヘリが出動し、現場で診断した医師の判断で救急車で近くの病院に運んだ。
この日は、島根県中西部の3市6町への乗り入れもスタート。浜田市消防本部が午後1時ごろ、脳梗塞の疑いがある60代男性の搬送を要請した。男性宅に到着した救急隊が症状が軽いと判断してキャンセルした。(2013年5月1日 中国新聞)