村井嘉浩宮城県知事は26日、ドクターヘリを県内に導入する方針を明らかにした。配備先の有力候補地として、宮城野原公園総合運動場(仙台市宮城野区)一帯に検討している広域防災拠点内を挙げた。導入時期は未定。実現すれば、東北6県全てにドクターヘリが配備されることになる。
県議会2月定例会の代表質問で答弁した。広域防災拠点には、県内唯一の基幹災害医療センターである国立病院機構仙台医療センターが含まれる。配備先となる基地病院は今後、県救急医療協議会に諮り、決定する。
仙台医療センターは、2015年度内をめどに立て替える予定。県はヘリポートの併設を見込み、同センターへの整備助成費約8700万円を、2月定例会に提出した新年度一般会計当初予算案に盛り込んだ。
導入する理由として、村井知事は「(県全域の災害時の医療対応を含む)広域防災拠点構想の方向性を踏まえた」と説明。課題として「他病院の協力体制や医師、看護師の確保などさまざまある」との認識を示した。
ドクターヘリ導入をめぐり、県は負担額が年間5000万円前後に上ることなどから慎重姿勢を取ってきた。村井知事は陸上自衛隊東北方面航空隊のパイロットを務めた経験を踏まえ、「ヘリは天気が良くないと運航できず、夜間は飛べない」と弱点を指摘していた。
東北のドクターヘリは青森が2機、岩手、秋田、山形、福島の各県が1機ずつを保有している。
(2013年2月27日 河北新報社)