NPO「救急ヘリ病院ネットワーク」(略称・ヘムネット)は30日、千代田区隼町1のホテルで「ドクターヘリの安全を考える」と題したシンポジウムを開き、専門家らが運航の安全確保のための方策を話し合った。
冒頭、国松孝次ヘムネット理事長が、ドクターヘリが現在19道府県で23機配備され、さらに各地で検討されていると説明。「01年の導入から1件の事故も起こしていないが、運航回数の増加に伴い心して欲しいのは安全の確保だ。具体的方策を多角的に検討してほしい」とあいさつした。事故におけるヒューマンファクター分析の専門家で、元旧航空・鉄道事故調査委(現運輸安全委)委員の垣本由紀子さんが基調講演し、さまざまな事故原因を示しながら、「注意と不注意は表裏一体。注意しても一生懸命でもエラーは起こるし、それは叱咤激励や周知徹底では防げないことをまずは認識すべき」と指摘。そのうえで「人は確認によってエラーに気付く。人と人、人とマシンが確認のコミュニケーションを繰り返すことが重要だ」と話した。【合田月美】(2010年12月1日毎日新聞)