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<産経新聞>元警察庁長官・國松さん 救急ヘリ導入へ奔走<産経新聞>
2003.10.20

 救急医療にヘリコプターを導入し、1人でも多くの命を救おうと、元警察庁長官の國松孝次さん(66)が、ヘリコプターを活用する救急システムの構築に取り組んでいる。

 國松さんは警察庁長官在任中の平成7年3月、東京都荒川区の自宅マンション前で何者かに短銃で撃たれ、一時重体になった。退官後はスイス大使などを経て現在、救急医療にヘリの積極導入を目指す特定非営利活動法人「救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)」の理事長を務める。

 救急ヘリシステムの先進国、ドイツはヘリに医師が搭乗する態勢が確立され、アウトバーンでの自動車事故による死亡者が、20年で3分の1に減少。米国でもヘリでの患者移送が一般的という。

 スイス大使在任中に民間の非営利団体が運営する救急ヘリシステムをつぶさに見た國松さんは「わずか15分で国中どこでも到着可能なシステム」と強調。現場が遠距離でも、けがに見合う専門性の高い救急医療施設に搬送できることが最大の特徴で(1)救急車に比べ搬送可能な範囲が拡大(2)災害発生時の医師や医薬品の搬送にも応用が可能-となり、救命率の向上も期待できる。日本では7県でドクターヘリが活躍、消防防災ヘリ68機も運航しているが、欧米諸国に比べ、大きく後れを取っている。

 HEM-Netでは、公的機関のヘリを連携活用できるよう、出動状況を統括するシステムを探り、当番医や救急医療機関とのネットワークづくりを進める。費用負担の問題や離着陸・飛行制限の緩和策など関係省庁へ働きかけ、Netが主体となったヘリ運航を含めて1年間で提言をまとめる。

 HEM-Netは今月31日、関係省庁の担当者を交えたシンポジウム「ヘリコプター救急システムの構築をめざして」を東京都千代田区一番町の全国町村議員会館で開催し、救急ヘリ実用化への課題を探る。入場無料。(産経新聞、2003年10月20日付記事より)