島根県は、6月に運用を始めた医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の1カ月間の利用実績をまとめた。出動件数は45件で、想定の約1・5倍となった。現場からの救急や病院間の患者搬送で活用し、救急車に比べて大幅に搬送時間を短縮。広島県内への搬送も1件あった。
内訳でみると、病院間の「転院搬送」が23件と最多。事故や急病による患者を運ぶ現場救急が21件に上り、実績をほぼ二分した。離陸後に消防からキャンセルされたケースが1件あった。出動日数は22日だった。
地区別では、消防本部別に、出雲が13件、雲南13件、大田7件、隠岐5件、益田4件、浜田と江津邑智が各1件だった。中山間地域や県西部への出動が目立つ。県庁のある松江地区ではゼロだった。
搬送先の医療機関では、基地病院の県立中央病院(出雲市)が39件と最も多く、全体の約9割を占めた。島根大医学部付属病院(同)松江赤十字病院(松江市)などが各1件だった。広島市民病院(広島市中区)への搬送も1件あり、約48キロ離れた六日市病院(吉賀町)から18分で患者を運んだ。
搬送距離では、六日市病院―松江医療センター(松江市)間の約160キロが最長となり、救急車と比べ約4分の1となる50分間で運んだ。(2011年7月17日中国新聞)