7月6日、ドクターヘリの普及啓発を行っている認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)が「ドローンとドクターヘリのコラボレーションによる医療」の確立を目指し、関係者に呼び掛けた結果、「日本ドローン・エアレスキューコンソーシアム(JDAC)」が結成されました。協議の結果、「空の産業革命に向けたロードマップ」に掲げられているドローンの利活用の分野に新たに「医療」を加えるよう、活動を展開していくこととなりました。
コンソーシアムの結成
我が国のドローンに対する取り組みは政府が策定した「空の産業革命に向けたロードマップ2019」に基づいて推進されていますが、現在、ドローンの利活用の分野は「物流」「災害対策」「インフラ維持管理」「測量」「農林水産業」「警備業」の6分野に限られており、「医療」は対象外となっています。しかし、ドクターヘリとのコラボレーションによって「医療」は可能であり、ドローンの新たな利活用の分野として、「医療」はロードマップに明確に位置付けるべきであると考えます。
この考えの下、7月6日、ドクターヘリ、医療及びドローンに関するNPO、学会、大学、企業等の関係者約30人が参集し協議した結果、コンソーシアムを結成することとし、名称、規約、代表・副代表の選出について諮ったところ、下記のとおり決定されました。
名 称:「日本ドローン・エアレスキューコンソーシアム(JDAC)」
代 表:篠田伸夫(HEM-Net理事長)
副代表:猪口貞樹(日本航空医療学会及び日本病院前救急診療医学会理事長)
その後、自由討論に移り、活発な意見の発表がありましたが、こうした医療側とドローン開発側との意見交換の場がこれまでなかったことが改めて認識され、コンソーシアムの意義が再確認されました。
コンソーシアムの役割
コンソーシアムは以下の役割を果たすこととしています。
「Society5.0」の時代に対応した遠隔医療等を目指す全国レベルのドローン研究母体として組織し、活動する。
ドローンに関する国の計画「空の産業革命に向けたロードマップ2019」を改定し、ドローンの活動分野に「医療」を加えるとともに救急・災害時におけるドクターヘリとドローンのコラボレーションが十分に機能するようにする。
「防災基本計画」にドローンを位置付ける。
2020年度の「消防防災科学技術研究推進制度」による委託金を申請し、IoTと連携したドローンとドクターヘリのコラボレーションによる救急医療モデルを研究し、構築する。
別途、研究資金を確保するためにNEDO等の助成金を申請する。