ドクターヘリが運航を始めて17日で1カ月が経過した。同日までの出動件数は19件と想定以上で、要請から現地着陸までの平均所要時間も約21~22分と目標をクリア。目立ったトラブルもなく、上々の「船出」となった。
県医務課によると、要請件数は22件で、うち3件は天候不良や要請が重複したため出動しなかった。要請から現着までの時間は25分を目標としていたが、要請が連続してあった場合など特殊な場合を除き、ほとんど20分以内だった。
今月7日には、利根沼田広域消防本部管内のスキー場でスキーをしていた男性(65)が転倒する事故が発生。意識不明の重体で一刻を争うためヘリを要請、前橋赤十字病院に搬送され、一命を取り留めた。同病院によると、「ヘリがなければ、意識の回復も難しい事例だった」という。現在は意識も回復し、転院している。
19件のうち最も出動が多かったのは吾妻広域消防本部管内の7件。医療機関が少なく、3次病院との距離が遠いためとみられる。県内11のうち7消防本部が既に要請しており、同課は「前橋赤十字病院の担当者が全消防本部で説明会を行った成果が出た」としている。【伊澤拓也】(毎日新聞2009年3月18日)